YAMATO KOISO MEDICAL CLINIC

生活習慣病

「生活習慣病」は 生活習慣が発症・進行にかかわる病気という定義なので、がんや肺気腫なども含まれます。
一般的に言われる「生活習慣病」は 高血圧症、糖尿病、脂質異常症などですが、これらは遺伝などの要因も大きいのです。
症状がないため治療の必要性がわかりにくいですが、これらはすべて脳卒中や心臓血管病、慢性腎臓病などの原因となります。
喫煙や過度の飲酒とともに、あてはまる項目が多ければ多いほどいろんな病気になる可能性が増えるのです。

■高血圧症
高血圧は循環器病(脳卒中や心臓血管病)の最大のリスク要因です。
正常の血圧は120/80未満。140/90以上が高血圧となりますが、130/80を超えていると循環器病や腎臓病のリスクが高くなります。
症状はよほど高くないと出ませんので、検診などでチェックし放置しないことが大切です。
生活改善(減量や塩分制限)で下がる方もいますが、中にはほかの病気が隠れていることがあり検査が必要です。
年齢や持病の有無で目標血圧も適した薬も異なりますので、患者さんそれぞれにあった降圧薬を選ぶことが重要です。

■脂質異常症
悪玉コレステロール(LDL)、中性脂肪のどちらかまたは両方が高い状態です。
特に悪玉コレステロールが高いと動脈硬化の原因となり、循環器病の大きなリスク要因です。
遺伝病である「家族性高コレステロール血症」をはじめ、遺伝の要素も大きく、生活習慣が乱れていなくても高い方が多くいます。
LDLコレステロールが180を超えている人などは「家族性」を疑います。このような方は、循環器病のリスクが高いため、、予防のためのしっかりした治療が必要です。
症状はなく検査しなければわかりませんので、検診などでチェックし、高ければまずは相談ください。
頸動脈エコーなどで動脈硬化の程度を確認しつつ、生活改善(動物性脂肪制限、運動など)とともに適切な薬物治療をすることが大病の予防になります。

■糖尿病
もともと血糖を下げる「インスリン」が出ない1型と、生活習慣も関与してインスリンの働きが悪くなる2型があります。
症状はよほど血糖が高い場合か高いまま時間がたたないと出ませんので、やはり検診でのチェックが重要です。
糖尿病は動脈硬化をおこし循環器病のリスクを大きく高めます。
腎症・網膜症・末梢神経障害といった合併症とともに循環器病を予防するには、生活改善(糖質制限、運動など)はもちろん、患者さんにあった薬物治療を選び、定期的にチェックすることが重要です。

■高尿酸血症
尿酸値が上がると、関節内に結晶がたまり炎症と疼痛を起こします。これが痛風です。
尿酸は腎臓に悪さをするため痛風発作がなくても高いまま放置すると腎障害をきたしたり尿路結石の原因となります。
また、ほかの生活習慣病がある場合は心疾患などのリスクとなりうるため積極的に治療が勧められます。生活改善(プリン体制限など)も大切です。

■肥満症、メタボリックシンドローム
内臓脂肪がたまると、脂肪細胞から糖尿病や高血圧症、脂質異常症を引き起こす悪い物質が多く分泌されます。
そのため上記のような異常が出やすくなるのです。(メタボリックシンドローム)
これらの危険因子が多ければ多いほど動脈硬化が進行しやすく、脳卒中や心疾患などの病気を引き起こしやすくなります。
肥満でさまざまな体の不具合を呈すると肥満症となり治療の適応となります。